よくある質問

外来にて
■外来にて

Q1:どうして脳神経外科の先生が脊椎の手術をするのですか?

 

A:例えばアメリカではほぼ半数の患者さんが脳神経外科で脊椎の手術をうけられます。脊椎は単なる背骨ではなく、中に大事な神経組織が入っています。この脊髄という神経は脳から連続しており、手足の動きや感覚を司る重要な機能があります。したがってこの脊髄の機能保護と機能回復をめざすうえで、脳神経外科の顕微鏡を使用した細かい手術(マイクロサージャリー)が必要であると考えています。これらの患者さんの声はすべての患者さんでそうだというものではありません。
ただこのような声があるのも事実です。あくまで自分自身で考えて、信頼できる先生、病院で治療してください。

Q2:手術をしなくてはなおりませんか?

 

A:必ずしも手術だけが治療法ではありません。ただ手術のタイミングは良い結果をえるためのとても重要な要因です。きちんとした脊椎脊髄専門医とよく相談し、手術の必要性を聞いてください。安易に<雑誌や本などで納得しないようにしましょう。

Q3:誰に手術してもらったらいいのですか?

 

A:今は脳神経外科でも整形外科でも、学会が指導医を認定しています。きちんとした専門医に診察してもらい、多くの手術を手掛けている医師の手術をうけられるようすすめます。

Q4:手術のあと長いこと、ベッドで寝ていなくてはいけませんか?

 

A:マイクロサージャリーで行う脊椎脊髄手術の1つの利点は、体に侵襲が少ないので比較的早くから行動できます。多くの頚椎、腰椎の手術では、大体2-3日もあれば食事、歩行などは自由にできます。入院期間も全部あわせて2週間もあれば十分です。

Q5:脊椎の手術をすると、四肢麻痺などの後遺症が心配です。

 

A:確かにそう心配される患者さんは多くおられます。しかしわれわれの行っている顕微鏡手術では出血も少なく輸血はしませんし、神経とヘルニアなどをきちんと判別でき、神経損傷の確率はきわめて少ないです。ただこわがって手術から逃げ回っていると、大切な手術のタイミングを逃してしまうこともあります。

Q6:ハローベストのような大きな外固定をしなくてはいけませんか?

 

A:最近はチタン製の内固定具を使用するので、以前とは違って大げさな外固定はしていません。患者さんにとっても、ずいぶん手術後の負担が軽減されました。

Q7:輸血の必要はありますか?

 

A:ほとんどの手術は、輸血の必要がありません。感染症の心配もありません。

Q8:脊髄手術の再手術は困難ですか?

 

A:初回の手術に比較して、やはり手術の難易度はあがります。しかし私もここ数年かなりの再手術を頼まれますが、最新の骨メスやナビゲーションなどを手術用顕微鏡と組み合わせることにより、安全で効果的な手術を行っています。

Q9:レーザー治療を行いましたが、思うような結果が得られませんでした。手術を受ければ、治るのでしょうか?

 

A:レーザー治療の多くの問題点は、正しい適応ではなかったことにあると思います。つまり、最初から手術が正しい治療法である場合なのです。レーザーの影響でヘルニアと神経(硬膜)とが癒着して、手術が難しいこともあります。こうした場合こそ私の行っているマイクロサージャリーが威力があり、ヘルニアと神経を同定し、安全に手術可能です。

脊椎、脊髄の病気、治療法についていろいろ解説してきました。これは私が脳神経外科、脊髄外科を長年携わってきた経験からのもので、かならずしもすべてが正しいかどうかはわかりません。しかしながら毎年手術を重ねるにつれ、マイクロサージャリー(手術用顕微鏡を用いた脊髄手術)が脊椎、脊髄の手術にはもっとも適していると確信できるようになりました。悩んでいる方はぜひ、このホームページ上で紹介している病院の私の外来を受診してください。